この章では、本機を使っていろいろな印刷物を読む方法を説明します。
印刷物によっては、原稿の置き方しだいで読み取りの精度を上げることができます。 うまく読ませるためには、まず以下の基本をマスターしておくとよいでしょう。
つぎに、各種印刷物を読ませる際の注意点を説明します。
A4の紙に書かれた書類は、本機がもっとも得意とする印刷物のひとつです。 そのため、読み取り精度は通常きわめて高く、読み取った内容をそのまま聴けば 内容を理解できます。
小説などの書籍は、薄いものであれば読み取り精度が高いのですが、 通常の書籍ですとページが平坦にならないため、誤認識が起こる場合があります。 また、図表や数式が入っている教科書や専門用語の多い書籍などは 平らなものでも一部、正しく読まない部分もあります。
書籍を読ませる場合は、1ページずつめくって読み取ります。 本機は原稿の向きを自動的に認識しますので、 縦書き・横書きの文章にかかわらず正しく読み上げることができます。
文庫本や四六判程度の本であれば、見開きで2ページを一度に読み取ることもできます。 この場合、書籍のページをなるべく平らにした状態で読み取りをおこなってください。
本機では、通常存在するあらゆる印刷物にまんべんなく 対応できるような方法で読み上げをおこないますが、 印刷物によっては、この読む上げがわかりにくい場合があります。 このような場合、本機では特定の方法でページ補正を おこなうことによって、そのページをよりわかりやすい方法で 読み上げることができます。
このキーを押すたびに、ページ補正の方法が 「一般的な印刷物」→「書籍」→「一段組み」→「複雑な段組み」→「表形式」→「補正しない」 の順に変わっていきます。決定したいところで読み取り(Enter)キーを押すと、 補正方法が決定され、現在のページがその方法に補正されて読み上げられるようになります。
ページ補正の方法には、以下のものがあります:
本機はときどき漢字を間違えて読むことがあります。また、同じ読みをもつ 異なる漢字からなる単語で、音声で読んだだけでは区別できない単語もあります (たとえば「公海」「黄海」「紅海」など)。このような場合、 本機では漢字の詳細読みという操作を 使って、漢字を1文字ずつ細かく読み上げることができます。
漢字の詳細読みをおこなう場合、本機は通常の文よりもさらに細かい単位で移動します。 本機は現在読み上げている文字の位置を覚えており、この後、 続けて取り消し(Tab)キーを押しながら 左キーを押すとひとつ前の文字を、 右キーを押すとひとつ次の文字を読み上げていきます。
詳細読みをやめるには、上キーまたは下キー、 あるいは停止・再開(5)キーを押すと、 通常の文を読み上げる状態に戻ります。